昨日、僕は恋を失くした








good-bye
yesterday








この17年間で一世一代の決心だと思い、久谷さんに告白した。
僕が知りうる限り、久谷さんと恋仲の奴なんかいないのだから。

久谷さんの下駄箱に昨夜認めた(書いている間中ずっと五月蠅い心臓が僕の胸中にいた)、
手紙を朝一番に行って入れた(内容は昼、中庭に来て下さいという程度だった)。

午前中の授業は気が気じゃなかった。
(ああ、僕は狂ってしまったのだろうか)

昼休み中庭で久谷さんを待つ間、心臓が早鐘のようでもう、僕は、
(駄目駄目だった)

久谷さんが言った一言によって僕の目から涙が溢れ出てきて、
僕は好きな女の子の前で泣いてしまった。

「ごめんね、古伊万里くん。」
「私、紫香楽くんと一昨日から付き合ってるの」

あの、部活馬鹿とかよ!!とか本気で思った。
彼奴のことだから久谷さんより部活を優先するに違いない。
全然会えないに違いない。僕の方が一緒にいられるに違いない。
僕の方が断然優しいに違いない。僕の方が、僕の方が、僕の方が、僕の、方が、

僕の


中庭の端に二人でちょこんと座って、僕は久谷さんの隣で、
惨めったらしく、未練たらたら、男としてどうなのよと言わんばかりに、めそめそ泣いた。
紫香楽(マブダチ)の悪口もいっぱい言った(久谷さんの彼氏なのに)


後少しで昼休みが終わる頃、校舎の中からTHE BEATLESのhelpが流れてきた。
助けて欲しいのは僕だよ、と呟いたら何か言った?と今まで僕の醜態を見ながら
悪態を聞いてくれた久谷さんが聞いてきた。

「なんでもないよ」
「ただ、有田の奴がこんな曲ながすから、一寸文句言っただけさ」

今更格好付けてもみっともないけど。

そうしたら久谷さんが

「紫香楽くんに告白したのは私なんだよ」

って言ってきた。


ああ、一昨日告白してもきっと無駄だったんだ。

午後の授業を傷心の為、サボって有田にこの話をしよう。
紫香楽には会いたくない。有田はきっと「お前、すっげー馬鹿だな」とか言ってからかうんだろう。
そして、有田は僕のために明日、THE BEATLESのyesterdayを流してくれるに違いない。


古伊万里、お前は馬鹿だな。
痛い傷に塩を塗って、
古伊万里、お前は本当に馬鹿だな。










悪あがき

BEATLESの曲をテーマにして二作目。
前回の猫ちゃんの話の前です。
焼き物カップルならぬ、焼き物学園になってきました。

男の子って基本は馬鹿だよね、ッて話。

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