全部想うままに成れば良いのに。



「ねぇ、操。構って」  「ねぇ、操。歌って」

「ねぇ、操。教えて」  「ねぇ、操。食べて」

「ねぇ、操。    」  「ねぇ、操     」


リコの口から零れるのは操に要求する言葉。
操はリコの要求をあっさりと聞き入れる。


「リコ」

「なあに?操。」

「何でもない」

「……そう。」

リコは呼べば振り向く。
リコは操より小さな身長で前をずんずんと歩いていく。
そして、操が呼べば振り向く。
とても、嬉しそうに。

「ねぇ、操。」

「………」

「操はリコのこと、どう思う?」

「………」

「我が儘ちゃんでしょ?」
「それとも、女王様気取り?」
「そうじゃなかったら、自己中心的な小娘?」

「……違うよ」

「……そう。なら、良いわ」

リコはまた、ずんずんと前を歩く。

「ねぇ、操。お腹空いた」

「コンビニ行くか?」

「うん。ねぇ、操。手を繋いで」


操とリコは手を繋いで空腹を癒すためにコンビニへ行く。

「リコ、さっきの話」

何を胃に入れるべきか選ぶ時間
とても楽しい

「リコはずっとずっと中に籠もったままだね」

手は繋いだまま。
店内は暖かい。

「リコは永遠的閉塞をしてるね」

リコは黙って選ぶ。
少しだけ繋いだ手に力を込めて。

「リコは小さなお城と小さな国の中で閉塞してるね」
「でも、リコのことが好きだよ」

リコは黙ったまま。
操は選ぶことに専念し始めた。

会計を済ませる。
勿論全て操が払う。
リコが払おうとする時もあるけど
その時は事前にリコが操に断言する。

店を出る。
操は片手に荷物と菓子パン数個
リコは背中に荷物。
片方の手は操の手と繋いでる。

そして手を離す

いつもの様に、ずんずんと前を歩く。
いつもの様に、近くの公園に行く。

「ねぇ、操。名前呼んで」

「  リコ  」


リコは振り向く。


「ねぇ、操。好きって言って」

「  好きだよ  」


リコは疑り深く信用はしない。


「本当?」

「本当だよ」


リコは我が儘だ。


「ねぇ、操。」

「………」

「ねぇ、操。」
「すっごく好きだよ」


リコは本当のことより
嘘を言うのが得意だ。


「ねぇ、操。リコは操のことが凄く好きだよ」

「リコ、何で泣くの」


リコは泣き虫屋さんだ。

ぽろぽろ
ぽろぽろ
ぽろぽろ

溢れて零れて流れていく。

ぽろぽろ
ぽろぽろ
ぽろぽろ

「リコ、僕はリコのことが好きなんだよ」

ぽろぽろ
ぽろぽろ
ぽろぽろ

リコはずんずんと進んでいくから
一歩二歩と近づく操。

「ねぇ、操。名前を呼んで」
「ねぇ、操。好きと言って」
「ねぇ、操。一緒にいて」
「ねぇ、操。独りにしないで」

リコの要求は時々無理難題だ。
だけど、操は引き受ける。

「  リコ  」
「  好きだよ  」
「  いてあげる  」
「  しないよ  」

操は引き受ける。
我が儘な愛しい姫君の我が儘を。

「リコはきっとずっと閉塞してるけど」
「僕はリコの城に住んであげる」








我が儘と閉塞。









とても書いてて恥ずかしかった。
upするのはなかなか気に入っているからなんだけど、
スッゲー恥ずかしい。
「ねぇ、xx。〜して」というフレーズが使いたかった。
閉塞云々は後から付随。
後アレ。「すっごく好きだよ」はどっちが言ったかは不明

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